これから就職活動を希望している歯科衛生士の方々のお役に立てたらと思います。
(1)新卒歯科衛生士のお給料水準・イメージ
新卒の歯科衛生士の方々は、一体どのくらいのお給料をもらっているのでしょう。
答えとしては、ある程度の平均もありますが新卒だからこのくらいと決まっているわけではありません。
統計によりますと、歯科衛生士全体としての平均月給は、25万円程で年収は355万円という統計結果があります。
新卒の初任給は、平均20万円前後とされていますがあくまでも平均となりますのであまり参考にならない場合もあります。
歯科衛生士のお給料は、地域によっても異なりますが、職場によっても差がある事を理解しておく事が大切です。
新卒での就職先は、大学病院や、保健所、老人ホームなどの福祉施設を選択する方もおりますが、ほとんどの方が一般歯科医院に就職を決めています。
一般歯科医院といっても、入院施設があるような大きな歯科医院でスタッフ数も多い歯科医院もあります。
歯科医師も一人でスタッフ人数も少ない小規模な歯科医院もあり、待遇を含め、お給料も歯科医院によって差があります。
しかし、一般歯科医院は「院長先生個人」が歯科衛生士のお給料金額を決めているため、単純に規模が大きい歯科医院ほどお給料や待遇が良いとは限らないのです。
(2)新卒歯科衛生士の昇給イメージ
新卒歯科衛生士のお給料についてお話ししましたが、昇給についてはどうでしょうか?
昇給についても、本当に歯科医院によって様々です。これはどの機関に就職してもあまり変化はないと思われます。
ただ、昇給に関しては勤続年数に応じて徐々にアップしていく所が多いです。
基本的に、歯科衛生士の給料は「能力」と「キャリア」に応じてアップしていくため、勤続年数が増えれば昇給も望めるでしょう。
しかし、注意したいのは職場によってはその額が僅かであったりする場合もあります。
求められる力量はその職場によって違いますので、そのボーダーラインに達していれば期待できるはずです。
あとは、歯科医院であれば院長先生、その他機関であれば雇用主次第ですね…(^^;)
歯科医院では試用期間を設けている場合がほとんどで、昇給が望めるのはその期間が終了してからでしょう。
私が務めていた歯科医院では、試用期間が3ヶ月で、勤続3年目から昇給がありました。
正社員のフルタイム勤務であれば収入は安定はしていますが、ずっと給料が上がり続けるというわけではないケースも多いようです。
そのような事情もあって、あえてひとつの歯科医院に勤めず、フリーランスの歯科衛生士として複数の歯科医院での勤務を掛け持ちしている人もいます。
大抵のクリニックでは年間5000円ほどの昇給があるので、継続して同じクリニックに勤務している方は、歯科衛生士歴が3〜4年目には約23~25万になる事が多いでしょう。
他職業と比較しても25歳前後でこの給料水準は良いと言えます。
(3)新卒歯科衛生士の賞与
歯科衛生士の賞与も、お給料・昇給と同様に勤務先によって差があるでしょう。
勤務して1年目からもらえる所もあれば、3年目あたりから、ようやくもらえる所もあります。
ただ私の経験上ですが、昇給と少し違うと思った事は、例えば昇給はある程度ここまでの技術力に達したらもらえるというようなラインがあるとしたら、賞与に関しては雇用側の「気持ち」の面が大きいように感じました。
頑張れば頑張るほど、「最近頑張ってるな!」と認められ、賞与に繋がる事もあります。
あとは意外にも院長先生や雇用主との仲の良さも関係している場合もあります。
(4)新卒歯科衛生士の就職活動の仕方
新卒であれば、ある程度は学校で求人を見つける事が出来ます。
私の場合は、学校に求人票が張り出されその中から自分に見合った就職先を見つける事が出来ました。
歯科衛生士の求人は多く、私の学校では多くの求人票が出ており就職率がほぼ100パーセントでした。
また、学校の先生方もこの歯科医院はスタッフの出入りが激しいとか、自分の力量に合わないからやめた方が良いなど的確なアドバイスをしてくれるのでその点は新卒の強みでもあります。
私は学校に通っている間に、実習期間があり、一般歯科医院や様々な機関へ実習をしに行く機会がありました。
また、授業を教えてくださる講師の先生は一般歯科医院の院長先生である場合が多く、そのような事を踏まえながら自分に合った就職先を決める事が出来ます。
実際に、実習期間中に院長先生やスタッフに気に入ってもらいそのままそこに就職したり、講師の先生と仲良くなり様々な情報を聞いたりして就職の参考にする事も出来ます。
(5)新卒歯科衛生士が就職先を選ぶ時に気をつけるポイント
求人票に記載されている給料額は、手取りでもらえる給料額ではない事がほとんどです。
例えば、「月給28万〜」などと記載されていて、期待して実際働いてみると、実際もらえる手取り額に愕然とする事もあります。
求人票に記載されている給料額は、技術手当などある程度経験を積んだ歯科衛生士に当てられる場合が多いです。
新卒の場合、技術が伴わない事がほとんどなため、求人票の内容を鵜呑みにすると期待外れという事になりかねません。
(6)新卒歯科衛生士が働き始めたばかりの時に気をつけること
お給料や、人間関係ばかりに注目してしまいがちですが、自分がしっかりと成長していける環境かどうかを見極めるようにする事が大切です。
私が以前勤務していた歯科医院には、私が勤めた時には歯科衛生士が一人もいなく、歯科衛生士は新卒の歯科衛生士の私一人だけで、他スタッフは全員助手という時がありました。
今では助手さんも歯科衛生士と同様に仕事をこなしている環境の職場も多いです(本当はダメですが…)。
助手さんでも歯科衛生士に指導する事は可能ですが、やはり先輩歯科衛生士の指導は必要でしょう。助手さんを否定するわけではないです。
ただ、しっかり資格を持っている歯科衛生士の指導を受けた方が間違いがないです。
マニュアルに沿った教本通りの教え方…とまではいきませんが、あくまでも新卒の歯科衛生士には基礎からきちんと指導できる立場で、ある程度キャリアを積んだ歯科衛生士の存在が必要です。
(7)新卒歯科衛生士に向けて
これから歯科衛生士として就職を考えている方に、少しでもお力になれましたでしょうか。
いくら歯科医院などで実習をしてきたといっても、働く場所によって機材や使用する材料も違えば、やり方、手順も全く違います。
基本はだいたい同じですが、就職してからは一から学ぶような気持ちで頑張りましょう!
素敵な歯科衛生士ライフを送れますように☆