インプラント

歯科衛生士が教えてくれる!⇒わかりやすいインプラント治療とメインテナンスのあれこれ!

インプラントとメインテナンスのあれこれです。

皆さんの周りでもインプラント治療をしている人がいらっしゃるのではないでしょうか?

「物がうまく噛めない」
「義歯が合わない」
「今入っている被せ物の見た目が気に入らない」

など、様々な理由からインプラント治療を希望する人は増えてきています。

歯科衛生士は、周りの人や患者さんから、インプラントについて質問された時にしっかりと受け答えできるようにしておく必要があります。

歯科衛生士として活躍していくためにも、インプラントについて熟知しておく事が必要です。

インプラントは定期的なメインテナンスが必要となりますので、今回は、

『インプラントとは何か?」
メインテナンス等って?」

について分かりやすくお話しします。

「インプラントって何ですか?」と患者さんに質問された時の答え方は?

インプラントとは、外科手術により歯のないところにネジのような物を埋め込み、最終的に被せ物を装着するものです。

インプラントのメリット

義歯とは違い、いちいち取り外ししたりする煩わしさがありません。

またブリッジは隣同士の歯を削るリスクがありますが、その必要が無いです。

また、自分の歯と同じような感覚で物を噛める事も魅力です。

インプラントのデメリット

歯科衛生士は、患者さんからインプラントについて質問された時にメリットだけでは無く、必ずデメリットも伝えることが必要です。

インプラントは、治療の手術自体は数時間で終わる事が多いですが、全ての工程を終えるためにかかる治療期間が長いという「欠点」があります。

インプラント体と歯槽骨が結合する期間だけみても、下顎で3ヶ月以上、上顎では6ヶ月以上必要だとされています。

歯科医院にもよりますが、義歯なら早くて1週間、ブリッジの場合は一週間〜10日程度の治療期間がかかるということ考えると、インプラント治療期間の長さはデメリットと言えます。

それから、インプラント治療は保険が適用にならないため、高額な治療費がかかる事もデメリットです。必ず伝えましょう。

私が勤務している歯科医院では、インプラント体が30万円、被せ物が7万8千円です。

その他にも、インプラントを埋め込むにあたり、歯槽骨の状態(骨密度など)を調べる必要があるので、事前にCTを撮るのですが、そのCTの撮影が一万円かかります。

インプラント体を埋め込めるほどの厚さの歯槽骨が無ければ、インプラント治療は難しいでしょう。

インプラントをやりたいけど、仕事が忙しくてなかなか通えないし、お金もかかるし…という理由でインプラントを断念する患者さんは結構いらっしゃいました。

インプラントのメインテナンスってどうすればいいの?

インプラントを埋入した後は、治療後のメインテナンスがとても大切になってきます。

セルフケアでできるメインテナンス範囲だと、フロスを通したり、ポンティック部分にインプラント専用フロスや歯間ブラシなどでプラークを除去する事が必要です。

後は、歯ブラシだけでプラークを除去しにくい細かい部分には、ワンタフトブラシを使用すると良いでしょう。

私の歯科医院では、3ヶ月に一度インプラント治療後のメインテナンスを実施しています。

仕事の都合等で来院が難しい場合でも、だいたい3.4ヶ月に一度は来院してインプラントの状態を確認させていただいております。

ですが、インプラントを埋入しても、メインテナンスにいらっしゃらない患者さんもいます。

リコールの連絡をしてもなかなかいらっしゃらなかったり、たま〜に来院されたかと思えば、プラークが口腔内全体にびっしり付着したまま来院された患者さんもありました。

その患者さんは、来院されるたびに、ブラッシング指導を行うのですが、もともと歯磨きをする習慣が無いようで毎回メインテナンスの際はプラークの除去と格闘していました。

そうしているうちに、インプラント歯周炎となり、インプラント体自体がグラグラしてきて、私達の力ではどうしようもなくなり、結局最後はインプラント体を除去せざるを得ない状況になってしまいました。

せっかくお金と時間をかけて治療したのに、もったいないですよね。

そのようなトラブルを防ぐためにも、インプラント埋入前にメインテナンスの重要性を説明し、本当にその患者さんにインプラント治療をすすめても良いのかしっかり判断するようにしましょう。

インプラントを傷つけないスケーリングの工夫は?

誤った方法でスケーリングを行うと、インプラント体を傷つけてしまいます。インプラント体が傷つくと中の金属成分が歯肉に染み込んだりする可能性があるので、注意が必要です。

スケーリングを行う際は、インプラント体に対して直角に当てる事は避け、なるべく水平的に当てるようにします。

また、プラスチック製スケーラーや、インプラント用超音波スケーラー を使用する事でも対応できます。

インプラント手術にあたり歯科衛生士がおさえておくべきこと

インプラント治療のアシスタントとして歯科衛生士が補助につく場合には、ドクターからの指示に瞬時に対応できるように、インプラント治療の流れを把握しておきましょう。

また、インプラント治療を受ける患者さんの既往歴や服用している薬についても十分な注意が必要です。

インプラント治療を行う前の診断では、高血圧、糖尿病などの持病、常用薬を服用しているかどうかなどの診査をしなければなりません。

外科手術となり少なからず必ず出血するため、血液がサラサラになる薬などを服用している場合は、あらかじめ主治医に相談の上、薬を止めるなどの必要が出てきます。

他にもおさえておく点はいくつかあります。

重度の糖尿病を患っている方は、予後が悪く、感染症にかかりやすくなります。歯槽骨が少ない場合は、インプラントを埋入する事が難しくなります。

重度の歯周病を患っている方は、インプラント埋入後、インプラント周囲炎を引き起こすリスクがとても高いです。

インプラントはクッションの働きをする歯根膜がないため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方はインプラントに余計な負担がかかってしまうリスクがあります。

また、喫煙者は傷口が治りにくい、歯周病になりやすいなど、インプラント治療を行う上でトラブルになる要素が多く、インプラント治療をきっかけに禁煙する事が望ましいです。

他にも、高血圧、骨粗鬆症の薬を服用している、心筋梗塞・脳梗塞を患ってから半年以内である場合、妊娠中・授乳中などのケースも禁忌事項となりますので、しっかり把握しておきましょう。

歯科衛生士として、歯科医師と連携してスムーズに治療をすすめる事が出来るような事前の準備が大切です。

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