日本口腔インプラント学会では、口腔インプラント学に関わる豊富な知識と高度な専門的技能を有する歯科医師の養成しています。
口腔インプラント医療の発展と向上及び国民の福祉に貢献する事を目的として、
- 専門医
- 専修医
- インプラント専門衛生士
- インプラント専門歯科技工士
という資格を設けています。
歯科衛生士の方であれば、ほとんどの方がインプラント治療に携わった事があるかと思います。
地方ではまだ患者側のインプラントに対しての知識が薄い傾向にあり、歯科医院によってはインプラントを取り入れていない所もあります。
でも今では、インプラントはスタンダードな治療として広まってきています。
義歯が合わなくて、何度調整しても物を噛む事が難しい人がインプラント治療すると、義歯のようにいちいち取り外しする煩わしさが無くなります。
ブリッジなどのように隣同士の歯を削らなくてもいいなど様々なメリットもあります。
ただ、デメリットもあります。
- 保険が適用にならないこと
- 自費診療となり高額な治療費が必要になること
- 治療期間が長くかかこと
というデメリットもあります。
でも、インプラントの審美面や機能面などを考えると、デメリット以上のものがあると感じます。
インプラントに力を入れている歯科医院では、インプラント専門歯科衛生士の資格を持っている歯科衛生士さんを求めている所が多いです。
今回は、インプラント専門歯科衛生士についてお話しします。
(1)インプラント専門の歯科衛生士の資格って?
そもそもインプラント治療と聞くと外科治療となり、歯科医師の腕の見せ所と思う方も多いでしょう。
でも、歯科医師の補助を行う歯科衛生士側にも専門知識と技術が必要と考えられ、平成19年より始まった資格です。
いわゆるインプラントに関する知識と技術が優れており、インプラント学会が認めた「認定衛生士」です。
(2)インプラント専門の歯科衛生士になると、どんなメリットがあるの?
① お給料が上がるかも
インプラントがメディアなどに取り上げられることも多いです。芸能人がインプラント治療をしたのを見たりしてインプラントに興味を持つ人はとても多いことでしょう。
そのくらいインプラントは、あらゆる世代から求められている歯科治療の方法の1つです。
インプラント治療を頻繁に行う歯科医院も多く、インプラントの症例数が多い歯科医院では、インプラントに詳しい歯科衛生士は重宝されます。入社時の給与を特別に設定する歯科医院もあります。
② 患者さんと歯科医師から信頼される
歯科衛生士が患者担当制を導入している歯科医院では、それだけで患者さんからの歯科衛生士に対する期待が高まる傾向があります。
患者さんの期待に応えるためには、私達歯科衛生士のスキルアップが欠かせません。
インプラントなど、より高度な知識や技術を身に付けて、患者さんの満足度アップに貢献する事で、患者さんをはじめ歯科医師からの信頼も得る事が出来ます。
(3)インプラント専門の歯科衛生士になる際に、注意するべきことは?
① 試験の際に症例報告がある
インプラント専門歯科衛生士になるためには、試験の際に症例報告をする必要があります。
これは、自分が担当した患者さんの治療内容について口述で発表するものです。
症例報告の際には2.3人の症例が必要となりますので、院長先生と相談してどの患者さんの症例が良いのか話し合いましょう。
また、症例を提出する場合、その患者さんの口腔内写真やレントゲンが必要となりますので、必ず患者さんの了承を得てから行うこととなります。
② 5年ごとに資格更新がある
日本口腔インプラント学会により認定されたインプラント専門歯科衛生士は、5年毎の更新が必要になります。更新をされなかった場合には、資格は喪失されます。
また、更新申請は、認定失効期日の6ヵ月前から3ヵ月前までに行う必要があります。
インプラント専門歯科衛生士の新規申請をする際には、5年以上の実務経験であったり、年間の実務経験であったり、学術大会への参加であったり、それらによって得られる経験単位というものがあります。
(4)インプラント専門の歯科衛生士になるには?
インプラント専門歯科衛生士になるためにはどのような事が必要なのでしょうか。
当たり前ですが、
- 日本国歯科衛生士の免許証を得ること
そして、
- 2年以上継続して正会員であること
- 3年以上インプラント治療の介助又はメインテナンスに携わっていること
- 正会員として学術大会または支部学術大会に2回以上参加していること
- 正会員としてインプラント専門歯科衛生士教育講座を2回以上受講している事
- 最終補綴物を装着して2年以上経過した症例のインプラント治療の介助又はメインテナンスを行った経験が3症例以上あること
- 口腔インプラント専門医1名の推薦があること
です。
インプラント専門歯科衛生士になるためには、多くの手順を踏む必要がありますので、歯科医師と協力しながら取得を目指す事が大切です。
理解のある歯科医院で働くことが大事です。
インプラント専門歯科衛生士になって、専門の知識や技術を身に付ければ、歯科衛生士は他のスタッフからも一目置かれる存在となるでしょう。