私達医療従事者は、患者さんの口腔内環境をより良くしようと日々奮闘しています。
そんな中で、対応に困ってしまう患者さんもいます。
患者さん側で、治療に対する理解や解釈が、治療スタッフ側と少し違うことがあるのです。
歯医者の治療回数について【患者の不満】
何で歯医者に何回も通う必要があるの?と疑問に思われる患者さんも多いです。
実際によく受付で話される患者さんもいます。
予約しても、数分で終わる治療もしばしばあり、同じような治療を繰り返し行う事もあるため、患者さんにとってはストレスになります。
とくにSP(抜歯後の消毒)などは経過に問題が無ければ数分で終わる事が多いため、何のために予約までとって、時間を割いて来たのか分からないと不満を漏らす患者さんもいました。
ほとんどの歯科医院は予約制である事が多いため、仕事の都合や急な体調不良などの理由で通院が難しくなってしまう方がいらっしゃると思います。
また、治療途中のまま、転勤しなくてはならなくなり、治療が中断せざるを得なかった方も多く知っています。
治療はなるべく早く、一度に済ませてしまいたいと思う気持ちも分かります。
私自身も、出来る事なら患者さんの希望に沿うように短期間で終わらせてあげたいのですが…
そうはいかない理由があるのです。
私が今まで1番多く質問されたのが根管治療の通院回数です。
私達の歯は多い人で親知らずを含めると32本、親知らずが生えていない人は28本あります。
それらの歯の根っこは、それぞれ根っこの本数が違います。前歯部の根管は、一本の事が多いので比較的すぐに終わりますが、臼歯部になると下顎では2本、上顎では3本が基本ですが、人によっては4本の根管が存在する事もあります。
時には近心根の治りが良くても、遠心根の治りが良くないといった場合もあるのです。そのような場合は、根気強く何回も根管を洗浄する必要があります。
この根管治療を丁寧に行わないと、その後に補綴物を被せたとしても痛みが出たりする原因となります。それこそ、二度手間になり余計な時間がかかってしまいます。
根管治療は、数回に分けて何度も同じような作業を繰り返して根管を洗浄し、細菌を除去する必要があります。そして根管がキレイになって、ようやく最終的な補綴物を入れる事が出来ます。
また、歯科補綴の治療の際も、来院したその日のうちに出来上がると思っている患者さんもいます。被せ物が完成するまでには、最初に型取りをし、その型で歯科技工士さんが模型作成などいくつもの工程を行いながら作成します。
その歯科医院の中で歯科技工士を雇っている医院では、すぐに完成する場合が多いですが、外注で補綴物を作成してもらっている場合は1週間ほど期間がかかってしまう所もあります。
裏話:歯科の治療費について
治療後の会計時に領収書を見て、いつも同じ治療をしているのになんで今日は高いんだ?と言ってくる患者さんがいます。
上記でも説明しましたが、根管治療の場合は、何度も通院して根管をキレイに洗浄する必要があります。そうした中で、その月によって再診料や保険請求できる内容が異なるため、請求点数に差が生じるのです。
また、保険が適用となる補綴物を一旦入れたものの、治療後しばらくしてから審美面や機能面が良い自費の補綴物にしてくれ、と言ってくる患者さんもいます。
治療をする前に、保険と自費の補綴物の違いについてインフォームドコンセント(説明と同意)をしてから進める歯科がほとんどだと思いますが、そのような場合でもネットの情報などに左右され、やり直しを求めてくる人もいます。
このような場合はまた一からやり直しになり、技工料も無駄になりますし、一度着けた補綴物を外す事は土台の歯に負担がかかるリスクがあります。
また、外す途中で、土台の歯が欠けてしまうかもしれないのです。
裏話:歯科医への、急なアポ無し来院
歯科医院に勤めている皆さんならこの事例は、「あるある」ですよね(笑)
私が以前勤務していた歯科医院は、田舎の方で高齢者の方が多かったせいか、予約するという習慣さえ感じられないような人が多くいらっしゃいました。
歯科医院ですので、患者さんの要求に応える事は当たり前です。
特に「予約してないんですけど、歯が痛くてどうしても治療してもらいたいんですが…」といった、痛みがある患者さんにはなんとかして痛みを取り除いてあげたいと思うのが歯科医療従事者の心境です。
ですが、ここ最近は患者さんのわがままが少し目立ってきているように感じます。
「歯を治しにもらいに来ているんだから、もっと低姿勢で来院するべきだ」
とまでは思いませんが、自分は患者側でお金を払う側なんだから自分の意見がなんでも通ると勘違いしている患者さんも多い事に違和感を感じます。
今は歯科医院は、基本的に完全予約制です。
痛みがある患者さんは優先的に治療する場合もありますが、予約外の場合は待ち時間が多くなる事が多いです。
電話で予約される際も、「予約でいっぱいなので、待ち時間ありますがよろしいでしょうか?」と伝えると「詰め物取れただけだから予約じゃないけどすぐできるよね?今向かってるから!」と、こちらの返答も待たずに電話を切る人もいれば、
予約しないで来院されて「もう〇〇分も待ってるんだけど、いつになったら治療してもらえるんですか?」など、自分中心の考え方の患者さんがいます。
それでも来院された場合は、予約の患者さんの待ち時間が長くなったり、仕方なく予約の患者さんを早めに切り上げたりするなどの対応をしなくてはなりません。
このような患者さんは、スタッフ側から嫌煙される対象になるでしょう。
歯科衛生士の裏話
確かに今は、サロンのような患者さんにリラックスしてもらう事も目的とした歯科医院も多く、治療しに行くというよりは、自分のわがままや希望を叶えてくれる場所として利用される方も多いでしょう。
私達も全力で患者さんのサポートをしますが、あまりにも理不尽な対応だったり、わがままな言い分が多いとさすがに私達もうんざりしてしまいます。
それでも大切な患者様には変わりはありませんので、なるべくトラブルにならないようにお互いに理解する必要があります。
歯科医も患者のことを常に考えなくてはいけないから、大変なんですね。
患者あっての歯科医院であり、歯科衛生士なんだなと思います。
歯科衛生士の方のお仕事事情がよくわかります。このような記事があると、自分がしっかりと就職に際して色々と気をつけないとなぁと思えます!
歯医者に行くことがあったら、歯科衛生士さんやスタッフの方々に迷惑をかけないようにこの記事をよく読んで覚えておこうと思います。
歯科医院の裏話は、あまり他所で聞かないので面白いですね。モンスター患者がいるんですね。最近は変な人が増えているから、対応が大変でしょうね。
患者=お客様みたいな考えの人っているんですよね。通院の回数が多いとか文句を言われたら、歯科衛生士さんも、この人の通院早く終わらないかなって思っちゃうのでは?
歯科医院の裏話というものを聞くことはないですし、通院回数が多くなったり、金額が高くなる理由というものがよくわかるいい記事だと思います。
今後、自分が行く際にも家族が行く際にもこういった話を思い出して、お互いにストレスフリーになれたらいいですね。
私は歯医者にかかる回数が多く感じていたのですが、この記事を読ませていただいて、どうして回数が増えてしまうのかよくわかりました。
まだまだ歯についてよくわかってないないので、たくさんこういう記事があるとためになると思います。
歯科衛生士さんの裏話は中々聞けないので、知らないことが多々あり勉強になった。
自分も歯科にいくときは気をつけようと思った。
近々、歯医者へ行こうと思っていたので裏話が聞けて良かったです。自分の失礼のないように気をつけようと思いました。
初診で急なアポ無し来院をこの間してしまったので、気をつけようと思いました。
自分ではきれいに磨いているつもりですが、虫歯になりやすく、歯医者さんにはよくお世話になっています。
今回の記事を読んで、迷惑はかけていないとは思いますが、わがままな患者にはならないように気を付けようと思いました。
こういう視点からの記事もあるのですね。読んでいてとても参考になりました。
この記事を読んでとても参考になりました。迷惑だと思われないように気を付けたいと思います。
いつも予約するようにはしているのですが、改めてアポ無しで行くのはやめようと思いました。
予約してなくてもついつい行きたくなってしまうんだよな~(>_<)迷惑だと思われないように、今後は、気を付けます。
予約せずに来るなと言ってるのではなく、予約優先であることを踏まえたうえで待つこと前提を理解してほしいと思うのです。
急に痛みが出たり、補綴物が取れたりすることはあります。
スタッフも出来るだけ早く治療が出来るようにするのでしばらくお待ちください、ということです。