合格者ノート

【独学・合格者ノート】契約締結前書面と契約締結時書面⇒貸金業務取扱主任者試験

短期合格者
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貸金業務取扱主任者試験の合格者ノート8ページ目です。

書面のはなしは、

  1. 生命保険契約
  2. 特定公正証書
  3. 契約締結前書面
  4. 契約締結時書面
  5. 保険契約に関する書面
  6. 受取証書・債権証書

という6つの分野に分類することができます。

今回は「契約締結前書面」と「契約締結時書面」について纏めてみました。

③ 契約締結前書面

貸金業者が契約締結前に交付する書面について、

「貸付けに係る契約」
「極度方式基本契約」
「極度方式貸付け」

の3つに分類してまとめています。

(1)「貸付けに係る契約」の契約締結前書面

貸金業者は、契約締結前に、契約内容を説明する書面を契約相手に交付する。

書面交付は電磁的方法(電子メール)による方法も可能だが、電磁的方法による場合、事前に契約相手の承諾を得る必要がある(書面・電磁的方法での承諾)

貸付けに係る契約の契約締結前書面の記載事項)
・契約内容の大抵は記載。

⇒但し、契約年月日」「契約相手の氏名・住所」は記載不要

※契約締結前の書面を交付した後に、契約締結前の書面に記載すべき事項を変更した場合は、当該契約を締結する前に、

変更後の内容を記載した契約締結前の書面を交付する必要がある。

(2)「極度方式基本契約」の契約締結前書面

貸金業者は、極度方式基本契約を締結する前に、契約内容を説明する書面を契約相手に交付する(上記と同様)。

極度方式基本契約の契約締結前書面の記載事項)
・契約内容の大抵は記載(上記の貸付に係る契約と同様)

⇒但し、契約年月日」「契約相手の氏名・住所」は記載不要
⇒また、以下も記載不要
「①貸付の金額
「②返済期間・返済回数」
「③将来支払う返済金額の合計額」

一方、極度方式基本契約の場合、貸付けに係る契約の契約締結締結書面の記載事項に加えて、

「①極度額(or極度額を下回る額を提示する場合は、その額及び極度額)」、
「②返済期間・返済回数ならびにその仮定
「③…仮定に基づいた将来支払う返済金額の合計額」

を記載する。

(3)「極度方式貸付け」の場合

極度方式貸付けの場合は、契約締結前書面は不要である。

練習問題
  1. 貸付けに係る契約を締結しようとする場合、契約締結する迄に、「契約年月日」「契約の相手方の氏名・住所」は記載する必要はない。
  2. 極度方式基本契約の場合、「貸付けの金額」は記載事項ではない。

④ 契約締結時書面

貸金業者が契約の際に交付する契約締結時書面について、

「貸付けに係る契約」
「極度方式基本契約」
「極度方式貸付け」

の3つに分類してまとめています。

(1)「貸付けに係る契約」の契約締結時書面

貸金業者は、貸付けに係る契約を締結した場合には「遅滞なく」契約内容を明らかにする書面を相手に交付する。

電磁的方法(電子メール)による交付も可能だが、事前に契約相手の承諾を得る必要がある(書面・電磁的方法での承諾)。

(2)「極度方式基本契約」の契約締結時書面

極度方式基本契約の契約締結時書面に記載すべき事項は、

契約締結前書面に記載すべき事項に、

①極度額、②返済期間・返済回数と③返済金額は記載する(仮定に基づいた金額を記載)

・返済期間・返済回数・返済金額などを後に変更しうる時はその旨を記載する。

・但し、①貸付けの金額は記載事項ではない

(3)「極度方式貸付け」に係る契約の契約締結時書面

原則

極度方式貸付けに係る契約においては、

(原則)
・契約締結時書面の交付は必要

極度方式基本契約時に記載したものは、極度方式貸付けの際には省略可能
貸金業者の登録番号、極度方式基本契約締結時の交付書面)

・極度方式基本契約時の記載よりも、契約相手に有利なもの省略可能

なお、契約相手の氏名住所は契約番号で代替可能

↓しかし、
極度方式貸付けは、極度方式基本契約に基づく貸付けなので、貸付内容は極度方式基本契約の締結時書面において、すでに明らかにされているものも。

例外

↓そこで、

(例外;煩雑のため)
①極度方式基本契約の「契約年月日」や「貸付けの金額」等を記載した書面(簡素化書面)の交付にとどめて、

②1ヶ月の貸付けと弁済の状況を記載したマンスリーレポートを交付する方法に変えることができる。

※但し、事前に契約相手の承諾を得る必要

練習問題
  1. 貸付けに係る契約締結したときは、契約締結後、遅滞なく書面交付しなくてはいけない。契約締結日から2週間以内に書面交付するわけではない。
  2. 極度方式貸付けに係る契約締結したときも、遅滞なく、契約内容を明らかにする書面を相手に交付する必要がある。

*契約変更時の書面(重要事項を変更した場合)

(1)貸付けに係る契約の重要事項の変更

貸付けに係る契約の重要事項を変更した場合、書面の再交付が必要。

⇒何が重要であるかは常識で判断する。

但し、次の場合は書面の再交付は不要。

「契約相手の利益となる変更
「契約相手の利益保護に支障を生じることがない変更

もっとも、次の場合は、書面の交付が必要となる。

『返済の方式』
『返済の方法および返済を受ける場所』
『各回の返済期日および返済金額』

『物的担保の内容』
『保証人の商号・名称・氏名・住所』

(2)極度方式基本契約における重要事項の変更

極度方式基本契約では、更に「極度額(貸付限度額を含む)」を変更する場合にも書面の再交付が必要。

但し、「極度額を引き下げるとき」「極度額を引き下げた後、元の額を上回らない額まで引き上げるとき」は、契約相手の利益保護に支障を生ずることがないとして、書面の再交付は不要。

(3)保証契約における重要事項の変更

保証契約において重要事項を変更する場合も、上記貸付けに係る契約と同様に書面再交付が必要。

⇒何が重要であるかは常識で判断する。

更に、以下も重要事項として書面再交付が必要。

①「保証金額」
②「保証期間」
④「連帯保証」を変更する場合も、契約変更時の書面交付が必要。

⇒但し、契約の相手方の利益となる変更を加えるときは、契約変更時の書面は不要。

*貸金業者が、電磁的方法によることができる書面

電磁的方法により提供するには、相手方から書面または電磁的方法で、事前承諾を得る必要がある。

電磁的方法により提供することについて事前承諾を得た場合には、貸金業者は相手方に対して、その承諾内容をあらかじめ適切な方法で通知する必要がある。

携帯電話、PHS等に電磁的方法で送信した場合は、送信日から3ヶ月以内に受信者の請求があれば、書面交付を要する。

 

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目次

1.貸金業法および関係法令分野

目的・定義 (A) ノート1 問題集1
貸金業者 (AA) ノート2 問題集2
貸金業務取扱主任者 (A) ノート3 問題集3
禁止行為・広告・勧誘 (B) ノート4 問題集4
貸付けに関する規制 (A) ノート5 問題集5
基準額超過・極度方式基本契約 (AA) ノート6 問題集6
生命保険契約、特定公正証書 (AA) ノート7 問題集7
契約締結前書面、契約締結時書面 (AA) ノート8 問題集8
保証契約、受取証書・債権証書 (AA) ノート9 問題集9
取立て行為、取立てにおける書面 (A) ノート10 問題集10
債権譲渡等と保証契約に係る求償権 (B) ノート11 問題集11
指定信用情報機関と貸金業協会 (B) ノート12 問題集12
監督処分〜貸付自粛まで (B) ノート13 問題集13
利息、賠償額の予定、保証料 (A) ノート14 問題集14
弁護士法・サービサー法・e文書法 (C) ノート15 問題集15

2.貸付けに関する法令と実務
3.資金需要者等の保護

個人情報保護法 (B) ノート16 問題集16
消費者保護法、不当景品類・不当表示法 (B) ノート17 問題集17

4.財務および会計 (D)