合格者ノート

【貸金業務取扱主任者試験ノート】出資法・利息制限法・貸金業法、利息の制限・天引き・みなし利息、賠償額の予定、保証料の制限

短期合格者
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貸金業務取扱主任者の合格者ノート「14 ページ目」です。

利息と遅延損害金については、利息制限法・出資法・貸金業法による規制を受ける。保証料についても同様。

ここでは貸金業に関係する利息と保証料の規制についてまとめています。

利息と遅延損害金

・利息制限法=超過部分は無効になる
・出資法  =超える場合は刑罰が課される
・貸金業法違反=行政処分(監督処分)を受ける…一定の場合、契約全体が無効

利息制限法の制限利率

元本が10万円未満 ⇒年20%
元本が10万円以上〜100万円未満 ⇒年18%
元本が100万円以上 ⇒ 年15%

出資法の規制利率

貸付けを業とする者
・年20%を超える場合 ⇒ 5年以下懲役、千万以下罰金(併科)
・年109.5%を超える場合 ⇒ 10年以下懲役、三千万以下罰金(併科)
貸付けを業としない者
・年109.5%を超える場合 ⇒ 5年以下懲役、千万以下罰金(併科)

利息制限法(利息の天引き・元本額の特則)

利息の天引き

利息の天引きをした場合、天引き部分にも利息制限法が適用される。
利息制限法の超過部分は、元本の支払いに充てたとみなされる。

元本額の特則

*同一の貸金業者から重ねて貸付けを受けた場合は、貸付け元本の合計額に対して、利息制限法の計算をする(適用される利率が異なるということ)。

*なお、異なる時点で、重ねて貸付けを受けた場合には、第一貸付の元本額(利息制限法の計算)は、その後の貸付けによる影響は受けない。

*みなし利息

(利息制限法)

*通常の場合:元本以外の金銭は、いかなる名義かを問わず、利息とみなされる。但し、「a」は利息に含まれない。

*営業的金銭消費貸借の場合:貸金業者などが受け取る元本以外の金銭は、利息とみなされる。「a」も利息に含まれる但し、「b」と「c」は利息に含まれない。

a.契約の締結費用、債務の弁済費用 ・カードの発行手数料
・書面の発行手数料
・口座振替手続き費用
b.契約の締結費用、債務の弁済費用
公租公課の支払い
・強制執行の費用、担保実行の競売費用、
現金自動支払機(ATM)の利用料(1万円以下は108円、1万を超えるときは216円)、
・契約締結に係る公証人手数料
c.再度の手続き費用 ・カードの発行手数料、
・書面の発行手数料、
度の口座振替手続き費用

(出資法)

*貸主が受け取る金銭は、いかなる名義かを問わず、利息とみなされる。但し、「b」は利息に含まれない「c」も利息に含まれない。

・「1年を満たない利息を元本に組み入れる旨を約定する貸付け契約を締結した場合は、当初元本を超える部分は利息とみなされる。

*債務不履行による賠償額の予定(違約金を含む)

(利息制限法)

利息制限法に規定する利率の「1.46%」を超えるときは、超過部分について無効

営業的金銭消費貸借上の債務不履行の場合、元本に対する割合が「20%」を超えるときは、超過部分について無効

(出資法)

・出資法では「賠償額の予定」は利息に含まれる。賠償額の予定を含めた利息が年20%または年109.5%を超えるかを判断する。

練習問題
  1. 債務不履行における「損害賠償の予定」利率が、14.6%というのは誤り。20%も誤りである。正解は「利息制限法利率の1.46倍」である。
  2. 営業的金銭消費貸借の場合、「損害賠償の予定」利率が、利息制限法利率の1.46倍というのは誤り。2倍というのも誤り。正解は「20%」である。

*保証料の制限

(利息制限法)

・主たる債務者が支払う保証料が、利息と合算して利息制限法の利率(年15%、18%、20%)を超える場合には、その保証契約は、その超過部分について無効になる。

(出資法)

・主たる債務者が支払う保証料が、利息と合算して年20%を超える場合には、保証業者は刑罰(併科)が課される。

⇒20%を超える「保証契約を締結」するだけでなく、「保証料を受領」、「支払いを要求」しただけで刑罰が課される。
⇒刑罰が科されるのは保証業者等である(貸金業者ではない)。

利息が変動利率で定められている場合⇒合格との関係では不要

 

*金銭貸借等の媒介手数料の制限(出資法)

金銭の貸借を行う者は、媒介手数料は貸借金額の5%を超えることができない(日割り計算する)

*貸金業法の規定

利息制限法利息上限額を超える利息の契約をした場合は、行政処分(監督処分)の対象となる。

練習問題
  1. 年109.5%を超える利息(賠償額の予定額を含む)の契約をしたときは、その貸付け契約が無効になる。
  2. 貸金業者が元本20万円で、年利20%の利息契約を締結した場合は、刑罰は課せられない(刑罰が課せられるのは年20%を超える場合である)。
  3. 貸金業者が借主から受け取る手数料や調査料など、貸主が受ける金銭はどのような名義であっても、原則として利息に含まれる。
  4. 利息制限法は、利息制限を超える部分を無効とされる。

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目次

1.貸金業法および関係法令分野

目的・定義 (A) ノート1 問題集1
貸金業者 (AA) ノート2 問題集2
貸金業務取扱主任者 (A) ノート3 問題集3
禁止行為・広告・勧誘 (B) ノート4 問題集4
貸付けに関する規制 (A) ノート5 問題集5
基準額超過・極度方式基本契約 (AA) ノート6 問題集6
生命保険契約、特定公正証書 (AA) ノート7 問題集7
契約締結前書面、契約締結時書面 (AA) ノート8 問題集8
保証契約、受取証書・債権証書 (AA) ノート9 問題集9
取立て行為、取立てにおける書面 (A) ノート10 問題集10
債権譲渡等と保証契約に係る求償権 (B) ノート11 問題集11
指定信用情報機関と貸金業協会 (B) ノート12 問題集12
監督処分〜貸付自粛まで (B) ノート13 問題集13
利息、賠償額の予定、保証料 (A) ノート14 問題集14
弁護士法・サービサー法・e文書法 (C) ノート15 問題集15

2.貸付けに関する法令と実務
3.資金需要者等の保護

個人情報保護法 (B) ノート16 問題集16
消費者保護法、不当景品類・不当表示法 (B) ノート17 問題集17

4.財務および会計 (D)