「契約締結前書面」と「契約締結時書面」に関する試験直前まとめ問題集(8ページ目)です。
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③ 契約締結前書面
(1)「貸付けに係る契約」の契約締結前書面
- 貸金業者は、貸付けに係る契約を締結しようとする場合には、契約を締結するまでに、契約締結前書面を、契約の相手方となろうとする者に交付しなければならない。
⇒しかし、「契約年月日」「契約の相手方となろうとする者の氏名・住所」は、契約締結前の書面に記載すべき事項ではない。
- 貸金業者は、事前に書面または電磁的方法によって相手方の承諾を得た場合には、契約締結前の書面により明らかにすべき事項を、電磁的方法により提供することができる。
- 契約締結前の書面には、次の事項を記載しなければならない。
・貸金業者の登録番号
・貸付けの金額、貸付けの利率(利息の計算方法)
・債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項
・契約上返済期日前の返済ができるか
・返済できるときはその内容
・返済の方法
・返済を受ける場所等 - 契約締結前の書面には、次の事項も記載しなければならない。
・期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨およびその内容 - 契約締結前の書面には、8ポイント以上の大きさの文字および数字を用いて、明瞭かつ正確に、一定の事項を記載しなければならない。
- 契約締結前の書面には、次の事項も記載しなければならない。
・貸金業者の商号・名称・氏名
・貸金業者の住所
・貸金業者の登録番号※顧客に交付すべき契約締結前の書面には「貸金業者の住所」の記載を省略できない。 - 契約締結前の書面を交付した後に、契約締結前の書面に記載すべき事項を変更した場合は、当該契約を締結する前に、変更後の内容を記載した契約締結前の書面を交付する必要がある。
(2)「極度方式基本契約」の契約締結前書面
- 貸金業者が、顧客との間で極度方式基本契約を締結しようとする場合には、契約締結するまでに、極度方式基本契約における契約締結前の書面を交付しなければならない。
⇒契約締結前の書面には、次の事項を記載する。・貸金業者の商号および住所・極度額・貸付けの利率
(3)「極度方式貸付け」の場合
- 極度方式貸付けに係る契約を締結しようとする場合は、契約締結前の書面を交付する必要はない。
④ 契約締結時書面
(1)「貸付けに係る契約」の契約締結時書面
- 事前に書面または電磁的方法により契約の相手方の承諾を得た場合には、契約締結時の書面に記載すべき事項は電磁的方法により提供することができる。
- 電磁的方法による提供を受ける旨の承諾を受けた場合には、承諾をした相手方に対して、承諾内容を書面その他の適切な方法により通知しなければならない。
- 貸金業者が交付すべき契約締結時の書面には、「当該貸金業者の商号もしくは名称」、「契約年月日」、「貸付けの金額および貸付けの利率」等を記載しなければならない。
- 従前の貸付けの契約に基づく債務の残高を貸付金額とする貸付けに係る契約(借替えの契約)である場合、契約締結時の書面に、従前の貸付けの契約に基づく債務の残高の内訳や、従前の貸付けの契約を特定できる事項等を記載しなければならない。
(2)「極度方式基本契約」の契約締結時書面
- 貸金業者Aが極度方式基本契約における契約締結時の書面をBに交付する場合、Aは当該書面に、
・Aの商号、名称または氏名及び住所
・Aの登録番号
・Bの商号、名称または氏名及び住所等を記載しなければならない。 - 貸金業者Aは、個人顧客Bとの間で極度方式基本契約を締結しようとしている。A社がBとの間で、極度額を50万円とし、貸付けの元本の残高の上限(貸付限度額)を30万円として極度方式基本契約を締結した場合、A社は、「極度額50万円」及び「貸付限度額30万」と記載された契約締結時の書面を、Bに交付しなければならない。
(3)「極度方式貸付け」に係る契約の契約締結時書面
- 貸金業者であるA社は、Bとの間で極度方式貸付けに係る契約を締結するにあたり、Bに交付すべき契約締結時の書面には、
・Bの商号、名称または氏名及び住所
又は
・これらに代えて本件極度方式貸付けに係る契約の契約番号その他
を記載しなければならない。 - 極度方式貸付けに係る契約の締結時の書面においては、貸金業者の登録番号は省略することができる。
- 貸金業者が、顧客との間で極度方式貸付けに係る契約を締結した場合において、当該顧客の承諾を得て「マンスリーレポート」を交付するときは、当該貸金業者は、契約締結時の書面に代えて、「簡素化書面(契約年月日及び貸付けの金額等を記載した書面)」を当該債務者に交付することができる。
- マンスリーレポートの記載事項は、
・貸金業者の商号・名称・氏名、住所
・当該極度方式基本契約の契約年月日
・貸付けの金額
等である。 - あらかじめ(事前に)相手方の承諾を得れば、マンスリーレポートに記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
あらかじめ承諾を得ていなければ事後に承諾を得たとしても、電磁的方法により提供することはできない。
*契約変更時の書面(重要事項を変更した場合)
*貸付けに係る契約の重要事項の変更
- 貸金業者AがBとの間で貸付けに係る契約を締結した後、貸付けの利率を引き下げた場合と賠償額の予定に関する定めを変更(顧客に有利な変更)をした場合、A社は契約変更時の書面をBに交付する必要はない。
⇒一定の重要事項を変更した場合には、再度、契約変更時の書面交付が必要となるが、相手の利益となる変更の場合には、契約変更時の書面交付は不要である。
- 貸金業者Aは、顧客Bに対して契約締結時の書面を交付した後、Bとの合意の上で、「返済の方法」「返済を受ける場所」「返済期日」「各回の返済額」を変更した。この場合、当該変更がBの利益となる時でも、契約締結時の書面の再交付は必要である。
- 貸金業者は、顧客との間で貸付けに係る契約を締結した後、その貸付けに係る契約に基づく債権について顧客に物的担保を供させることとした。貸金業者は契約変更時の書面を交付する必要がある。
- 「返済の方法および返済を受ける場所」を変更する場合には、変更後の内容を記載した契約締結時の書面を再交付しなければならない。
その変更が顧客の利益となるときでも再交付が必要となる。
- 貸付契約の「返済を受ける場所」を変更した場合には、相手方の利益となる変更を加えるときでも、契約変更時の書面交付が必要である。
*極度方式基本契約における重要事項の変更
- 貸金業者は、顧客との間で極度方式基本契約を締結した後、当該極度方式基本契約に基づいて、その顧客にとって不利益となる期限の利益喪失事由を新たに追加した。貸金業者は極度方式基本契約における契約変更時の書面を、遅滞なく、その顧客に交付しなければならない。
- 貸金業者であるAがBとの間で極度方式基本契約を締結した後、合意により、当該契約の極度額を引き下げる旨の変更をした場合、Aは極度方式基本契約における契約変更時の書面をBに交付する必要はない。
- 極度額を引き上げる場合には、原則として契約変更時の書面の交付が必要である。ただし、極度額を引き下げた後に再び引き上げた場合において、引き上げ後の極度額がその基本契約締結時に定めた極度額を超えないときは、契約変更時の書面の交付は必要ない。
- 貸金業者であるA社は、Bとの間で極度方式基本契約を締結し、その契約に基づく極度方式貸付けに係る契約を締結した。
その後極度方式基本契約における貸付けの利率を引き上げ、極度方式基本契約についての契約変更時の書面がBに交付されている場合には、A社は、当該極度方式貸付けに係る契約について、契約変更時の書面をBに交付する必要はない。
*保証契約における重要事項の変更
- 保証契約の重要事項の変更をした場合には、保証人に対して契約変更時の書面交付が必要である。「保証契約を変更」する場合には、当該変更が相手方(保証人)の利益となる変更である場合を除き、契約変更時の書面交付が必要となる。
*貸金業者が、電磁的方法によることができる書面
該当なし
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1.貸金業法および関係法令分野
目的・定義 (A) | ノート1 | 問題集1 |
貸金業者 (AA) | ノート2 | 問題集2 |
貸金業務取扱主任者 (A) | ノート3 | 問題集3 |
禁止行為・広告・勧誘 (B) | ノート4 | 問題集4 |
貸付けに関する規制 (A) | ノート5 | 問題集5 |
基準額超過・極度方式基本契約 (AA) | ノート6 | 問題集6 |
生命保険契約、特定公正証書 (AA) | ノート7 | 問題集7 |
契約締結前書面、契約締結時書面 (AA) | ノート8 | 問題集8 |
保証契約、受取証書・債権証書 (AA) | ノート9 | 問題集9 |
取立て行為、取立てにおける書面 (A) | ノート10 | 問題集10 |
債権譲渡等と保証契約に係る求償権 (B) | ノート11 | 問題集11 |
指定信用情報機関と貸金業協会 (B) | ノート12 | 問題集12 |
監督処分〜貸付自粛まで (B) | ノート13 | 問題集13 |
利息、賠償額の予定、保証料 (A) | ノート14 | 問題集14 |
弁護士法・サービサー法・e文書法 (C) | ノート15 | 問題集15 |
2.貸付けに関する法令と実務
3.資金需要者等の保護
個人情報保護法 (B) | ノート16 | 問題集16 |
消費者保護法、不当景品類・不当表示法 (B) | ノート17 | 問題集17 |
4.財務および会計 (D)