貸金業者は、指定信用情報機関の個人信用情報を利用することで、債務者の借入残高総額などの「返済能力」を知ることができる訳です。
ここでは、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結した「加入貸金業者」の義務と、
そして資金需要者等の利益保護を図るために設立された「貸金業協会」のことを中心にしてまとめています。
指定信用情報機関
1.個人信用情報とは?
・個人識別情報(勤務先の商号・名称を含む)
・契約年月日、貸付額・貸付け残高
・元本等の支払遅延の有無
2.指定信用情報機関との信用情報提供契約「締結前」の貸付け
*加入貸金業者は、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結したときは、
「契約締結前」の個人顧客に対する貸付けに係る契約(極度方式基本契約等を除く)で、締結時点で貸付け残高がある者の個人信用情報を、その指定信用情報機関に提供する。
① 極度方式「基本」契約を除く。
② 個人信用情報の提供には、個人顧客の同意は不要。
③ 指定信用情報機関と「信用情報提供契約」を締結したときは、届出が必要。
3.指定信用情報機関との信用情報提供契約「締結後」の貸付け
*加入貸金業者は、個人顧客に対する貸付けに係る契約(極度方式基本契約等を除く)を締結したときは、「遅滞なく」個人信用情報を、その指定信用情報機関に提供する。
個人信用情報の提供には、事前に個人顧客から同意が必要である(書面または電磁的方法)。
*加入貸金業者は、提供した個人信用情報に変更が生じたときは、「遅滞なく」変更内容を指定信用情報機関に提供する。
4.個人顧客の同意記録の保存
加入貸金業者は、個人顧客から同意を得た場合には、その同意に関する記録を作成のうえ、指定信用情報機関が信用情報を保有している間、同意記録を保存しなくてはならない。
5.「加入貸金業者」の義務
・加入している指定信用情報機関の商号(名称)を公表する。
・加入している指定信用情報機関に対して、返済能力等の調査以外の目的のために、信用情報の提供を依頼できない。
・加入指定信用情報機関から提供を受けた信用情報は、返済能力等の調査以外の目的のために使用できない。第三者提供することもできない。
・加入貸金業者や、その役職員でなくなった後も、提供を受けた信用情報を使用し、第三者提供することができない。
6.「指定信用情報機関」の義務
*指定信用情報機関は、「他の指定信用情報機関」から個人情報提供の依頼を受けたときには、「正当事由がある場合を除き」個人信用情報を提供する(情報の相互交流)。
*指定信用情報機関は、信用情報の貸金業者に対する提供について、記録作成のうえ、作成した記録を3年間保存する。
- 加入貸金業者は、法人顧客に対する貸付けに係る契約を締結したときは、個人信用情報を指定信用情報機関に提供することは要しない。
貸金業協会
貸金業協会(内閣総理大臣による認可法人)
・貸金業者のみで構成される「自主規制機関」
・貸金業協会は全国を地区とし、都道府県の区域ごとに「支部」が設置される。
・協会員は「支部」に所属する。
・業務規程で貸金業者の業務に関する事項を設定。
・貸金業協会への「加入は自由」、協会員に対する処分(過怠金・権利の停止制限・除名)
・貸金業協会は、協会員の名簿を公衆の縦覧に提供する(資金需要者等が、その貸金業者が協会員かどうかを確認するため)。
貸金業協会は都道府県ごとに協会の支部を設置し、協会員は支部に属する(貸金業協会は都道府県ごとに設置される訳ではない)。
1.貸金業法および関係法令分野
目的・定義 (A) | ノート1 | 問題集1 |
貸金業者 (AA) | ノート2 | 問題集2 |
貸金業務取扱主任者 (A) | ノート3 | 問題集3 |
禁止行為・広告・勧誘 (B) | ノート4 | 問題集4 |
貸付けに関する規制 (A) | ノート5 | 問題集5 |
基準額超過・極度方式基本契約 (AA) | ノート6 | 問題集6 |
生命保険契約、特定公正証書 (AA) | ノート7 | 問題集7 |
契約締結前書面、契約締結時書面 (AA) | ノート8 | 問題集8 |
保証契約、受取証書・債権証書 (AA) | ノート9 | 問題集9 |
取立て行為、取立てにおける書面 (A) | ノート10 | 問題集10 |
債権譲渡等と保証契約に係る求償権 (B) | ノート11 | 問題集11 |
指定信用情報機関と貸金業協会 (B) | ノート12 | 問題集12 |
監督処分〜貸付自粛まで (B) | ノート13 | 問題集13 |
利息、賠償額の予定、保証料 (A) | ノート14 | 問題集14 |
弁護士法・サービサー法・e文書法 (C) | ノート15 | 問題集15 |
2.貸付けに関する法令と実務
3.資金需要者等の保護
個人情報保護法 (B) | ノート16 | 問題集16 |
消費者保護法、不当景品類・不当表示法 (B) | ノート17 | 問題集17 |
4.財務および会計 (D)