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貸金業者(2ページ目)
(1)貸金業者になろうとする者の登録申請手続
- 法人が貸金業の登録を受けずに貸金業を営んだ場合には、無登録営業を行った従業者のほか、その事業主である法人も刑事罰を課されることがある。
- 無登録の貸金業者が、貸金業を営む旨の表示または広告をした場合、それが貸金業を営む目的を持ってなされたか否かを問わず、その者は刑事罰を課されることがある。
- 貸金業者が自己の名義をもって他人に貸金業を営ませた場合、その貸金業者は「刑事罰」に課せられることがある。また貸金業「登録」を取り消される。
- 貸金業の登録申請書には、営業所または事務所ごとに置かれる「貸金業務取扱主任者」の氏名と登録番号を記載しなくてはいけない。但し、貸金業主任者の住所は記載する必要はない。
⇒貸金業登録の場合、貸金業者の登録を受けようとする者の住所だけ記載する。
- 甲株式会社が記載する貸金業登録の申請書には、甲株式会社の25%を超える株式(議決権)を所有する個人は登録申請書に記載する役員に該当する。その者が他人名義で株式を所有している場合でも役人に該当する。
- 上記の甲株式会社の親会社である株式会社の50%を超える株式(議決権)を所有している個人は甲株式会社の役員に該当する。その者が他人名義で株式を所有している場合でも役員に該当する。
- 上記の甲株式会社の業務執行取締役が未成年者である場合には、その未成年者取締役の法定代理人が役員に該当する。
- 貸金業登録を申請する会社の支店(従たる営業所または事務所)であって、貸付け業務に従事する使用人数が50人以上である場合には、その支店の業務統括する者の権限を代行し得る地位にある者があるときは、政令で定める使用人に該当する。
いかなる名称を有する者であるかは問わない。
(2)貸金業者登録の拒否事由
- 破産者であった者で復権を得た日から5年を経過しない者であっても、登録拒否事由に該当しない。破産者であった者は復権を得れば直ちに貸金業登録をすることができる。
⇒破産者は、復権すれば直ちに貸金業登録できる
- 貸金業法に規定する名義貸しの禁止に違反したことを理由に、貸金業登録を取り消され、その取り消しの日から5年間を経過しない者は、登録の拒否事由に該当する。
- 貸金業の登録を取り消された法人の役員を、その取消しの日の60日前に退任した者は貸金業の登録を拒否されない。取消しの日前30日以内にその法人の役員であった者で、取消しの日から5年を経過しない者は貸金業の登録を拒否される。
- 出資法に違反し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過した者は、貸金業の登録は拒否されない。
- 暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は、貸金業の登録拒否事由に該当する。
- 貸金業の登録を受けようとする者は、営業所または事務所の業務に従事する者に対する貸金業務取扱主任者の人数割合が50分の1以上となる貸金業務取扱主任者を配置しなければならない。これを怠った場合には貸金業の登録を拒否される。
- 貸金業の登録を受けようとする者(法人・個人)の純資産額が5000万円に満たない場合、原則として貸金業の登録拒否事由に該当する。
- 法人が貸金業の登録を受けようとする場合、その法人の常務に従事する役員のうち、貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者が1人以上いないことは、貸金業の登録拒否事由に該当する。
⇒「5年以上従事した経験がある者」という引っ掛け問題が出る。
- 法人が貸金業の登録を受けようとする場合、営業所ごと(自動契約受付機とATMを除く)に、貸付けの業務に1年以上従事した者を、常勤の役員または使用人として1人以上在籍させていないことは、貸金業の登録拒否事由に該当する。
⇒「3年以上従事した経験がある者」という引っ掛け問題が出る。
- 資金需要者等の利益保護を図り、貸金業の適正運営のために「社内規則」を整備する必要がある。業務の責任体制を明確化する規定を定める必要もある。
(3)貸金業者登録簿と登録換え
- 貸金業者が「商号」や「役員・政令で定める使用人」を変更するときは、変更の日から2週間以内に、その旨を届け出る必要がある。
⇒事前に届け出る必要があるのは、営業所等の連絡先に係る情報。
- 貸金業者が営業所等の電話番号その他の連絡先(HPアドレス、電子メールアドレス)を変更する場合、あらかじめ、その旨を登録行政庁に届け出る必要がある。
- 貸金業者が営業所等の名称及び所在地を変更する場合、あらかじめ、その旨を登録行政庁に届け出る必要がある。
- 貸金業者は、営業所または事務所に置いた貸金業務取扱主任者が登録更新を受けたときは、変更の届出をする必要はない。
⇒貸金業務取扱主任者の登録に関することは、貸金業の登録には影響しないと考えても良い(正確には貸金業務取扱主任者が登録更新した場合、登録番号に変更がないので、変更する必要はない)
- 貸金業者が、業務の種類及び方法を変更しようとするときは、その旨を登録行政庁に届け出る必要がある。変更の日から2週間以内であり、事前にする必要はない。
- 貸金業者が、登録事項の変更届出をする際に虚偽の届出をしたときは、罰金(50万円)に処せられることがある。
- 都道府県知事から登録を受けた貸金業者が、他の都道府県の区域内にも営業所または事務所を有することになった場合、2つ以上の区域内に営業所等を有することになるため、内閣総理大臣の登録を受ける必要がある。
⇒「他の都道府県の知事から新たに貸金業の登録を受ける必要がある」という引っ掛け問題が出る。
(4)貸金業者登録の有効期間・失効事由・届出(2週間以内)
- 1つの都道府県内のみ営業所または事務所を設置している貸金業者は、貸金業登録を更新する場合、都道府県知事に申請する必要がある。
⇒「管轄する財務局長に申請」という引っ掛け問題が出る。
- 貸金業の登録を受けるためには、「登録免許税」の他に「手数料」を納める必要がある。
- 貸金業登録の有効期間は3年間である。更新申請は、貸金業の登録の有効期間が満了する日の2ヶ月前までに申請しなければならない。
⇒「登録更新は1ヶ月前まで」という引っ掛け問題が出る。
- 登録換えは新たな登録をすることと同じなので、登録換え後の登録を基準に有効期間を起算する。登録換えの手続きを完了した場合の有効期間は、登録換えの手続きを完了したとき(新たな登録を受けたとき)から3年間である。
⇒登録がえは新たな登録と同じ
- 貸金業の登録の更新申請は、貸金業の登録の有効期間が満了する2ヶ月前までに行わなければならない。
- 貸金業者は、貸金業を開始した場合、貸金業の登録をした内閣総理大臣または都道府県知事にその旨を届け出なければならない。広告・勧誘に係る業務、または債権の取立てに係る業務のみを開始した場合も、その旨を届け出る必要がある。
- 貸金業者は、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結したときだけでなく、その信用情報提供契約を終了したときも、登録行政庁にその旨を届け出る必要がある。
⇒2週間以内に届け出る。
- 貸金業者は貸付けに係る債権に基づく債権を他人に譲渡した場合、譲渡した日から2週間以内に、その旨をその登録した内閣総理大臣または都道府県知事に届け出なくてはいけない。
⇒「30日以内」という引っ掛け問題が出る。
- 貸金業者は、特定の保証業者との保証契約の締結を、貸付けに係る契約の通常条件とする場合、その日から2週間以内に、その旨を登録行政庁に届け出なければならない。
- 貸金業者は、第三者に貸金業の業務委託をした場合、またはその業務委託を行わなくなった場合、その日から2週間以内に、その旨を登録行政庁に届け出なければならない。
⇒「30日以内」という引っ掛け問題が出る。
(5)貸金業者廃業等の届出 (30日以内)
- 貸金業者が死亡した場合、その相続人は、死亡の事実を知った日から30日以内に、その旨を登録行政庁に届け出なければならない。
- 貸金業者が貸金業を廃止した場合、貸金業者であった個人、または貸金業者であった法人を代表する役員は、貸金業を廃止した日から30日以内に、その旨を登録行政庁に届け出なければならない。
- 株式会社である貸金業者が合併により消滅した場合、消滅会社を代表していた役員は、その日から30日以内に、その旨を登録行政庁に届け出なければならない。
⇒「合併による存続会社または新設会社を代表する役員」という引っ掛け問題が出る。
- 貸金業者について破産手続開始の決定があった場合、その破産管財人は、その決定の日から30日以内に、その旨を登録行政庁に届け出なければならない。
⇒「申し立ての日から」という引っ掛け問題が出る。⇒「本人が」という引っ掛け問題が。
- 貸金業者が死亡した場合、その相続人は、被相続人の死亡後60日間は、引き続き貸金業を営むことができる。
⇒「90日間は」という引っ掛け問題が出る。
(6)証明書・従業者名簿・帳簿
- 貸金業者は、従業者に証明書を携帯させなければ、その業務に従事させることはできない。但し、勧誘を伴わない広告のみを行う業務と、資金需要者等と非対面で行う業務を従事させる場合には、例外的に従業者証明書を携帯させることは不要である。
- 従業者は、対面業務に従事する際に、相手から請求があった場合には、相手方に対して自己の従業者証明書を提示しなければならない。
- 貸金業者は従業者名簿を、最終の記載日から10年間保存する。
- 貸金業者には、従業者名簿に、「貸金業務取扱主任者の氏名」及び「その者が貸金業務取扱主任者である旨」を記載する必要がある。
- 貸金業者は、帳簿には、債務者等との「交渉経過の記録」も記載しなければならない。「交渉経過の記録」とは貸付けの契約の締結以降における、貸付けの契約に基づく債権に関する交渉の経過の記録をいう。
⇒「契約締結前の書面の交付以降」「勧誘を開始したとき以降」という引っ掛け問題が出る。
- 帳簿は営業所等ごとに備える必要があるが、全ての営業所等に、その貸金業者と貸付けの契約を締結している全ての債務者に係る帳簿を備える必要はない。
- その営業所等がATMであるときは、帳簿の備置きは不要である。
- 帳簿のうち、債務者等が貸金業者に対して閲覧・謄写を請求できる範囲は、債務者等に利害関係がある範囲に限られる。
- 貸金業者が、債務者から利害関係がある部分につき帳簿の閲覧請求を受けた場合、その請求が当該債務者の権利行使に関する調査を目的とすることが明らかである時を除き、貸金業者は、債務者からの請求を拒むことができない。
- 保証人は主たる債務者に係る帳簿について利害関係を有するため、貸金業者は保証人からの主たる債務者の帳簿閲覧請求を拒むことができない。
- 貸金業者に対して全ての債務を弁済し、債務者でなくなった者も、帳簿の閲覧・謄写を請求することができる。
- 債務者に代わって弁済した者も、帳簿の閲覧・謄写を請求することができ、貸金業者はその請求を拒むことができない。
- 貸金業者が、相当の理由がないのに、正当な帳簿の閲覧・謄写請求を拒絶した場合には、刑事罰に課されることがある。
- 貸金業者は、極度方式基本契約を締結している場合、返済により債権残高がなくなったとしても、その極度方式基本契約が解除されない限り、帳簿の保存期間の起算はされない。その極度方式基本契約に基づくすべての貸付に係る帳簿を当初の記載(記録)から保存し続けなければならない。
(7)標識・貸金条件等の掲示
標識
- 貸金業者であるAの営業所等が他の貸金業者であるBの代理店である場合、Bの商号、名称のみならず、代理人Aの氏名も表示する必要がある。
- 登録標章の掲示義務に違反した場合、行政処分の対象になるだけでなく、刑事罰の対象になる。
貸付条件等
- 貸金業者は、営業所等ごとに、顧客の見やすい場所に貸付条件等の掲示をしなければならない。しかし、業務を統括する者の氏名は掲示すべき事項ではない。
- 貸金業者は、営業所等ごとに、顧客の見やすい場所に掲示する貸付の利率は、その年率を百分率で少なくとも小数点以下1位まで表示しなければならない。
- 営業所等がATMであって、あらかじめ定める条件により継続貸付(包括貸付)に基づく金銭の交付または回収のみを行う場合には、その営業所(ATM)に貸付条件等を掲示する必要はない。
- 貸付条件等の掲示として営業所等ごとに掲示すべき事項には、その営業所等に置かれる貸金業務取扱主任者の氏名が含まれている。
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1.貸金業法および関係法令分野
目的・定義 (A) | ノート1 | 問題集1 |
貸金業者 (AA) | ノート2 | 問題集2 |
貸金業務取扱主任者 (A) | ノート3 | 問題集3 |
禁止行為・広告・勧誘 (B) | ノート4 | 問題集4 |
貸付けに関する規制 (A) | ノート5 | 問題集5 |
基準額超過・極度方式基本契約 (AA) | ノート6 | 問題集6 |
生命保険契約、特定公正証書 (AA) | ノート7 | 問題集7 |
契約締結前書面、契約締結時書面 (AA) | ノート8 | 問題集8 |
保証契約、受取証書・債権証書 (AA) | ノート9 | 問題集9 |
取立て行為、取立てにおける書面 (A) | ノート10 | 問題集10 |
債権譲渡等と保証契約に係る求償権 (B) | ノート11 | 問題集11 |
指定信用情報機関と貸金業協会 (B) | ノート12 | 問題集12 |
監督処分〜貸付自粛まで (B) | ノート13 | 問題集13 |
利息、賠償額の予定、保証料 (A) | ノート14 | 問題集14 |
弁護士法・サービサー法・e文書法 (C) | ノート15 | 問題集15 |
2.貸付けに関する法令と実務
3.資金需要者等の保護
個人情報保護法 (B) | ノート16 | 問題集16 |
消費者保護法、不当景品類・不当表示法 (B) | ノート17 | 問題集17 |
4.財務および会計 (D)